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国内外でご活躍のRAM RIDERさんに、DOTEC-AUDIOユーザーとしてのご意見や、制作方法について、DOTEC-AUDIOのサウンドデザイナー フランク重虎が取材しました。

最近はハードは使わず、プラグインがメイン

フランク重虎(以下F):
今までの制作環境について教えて頂けますか?
RAM RIDER(以下R):
最初は14歳の頃にMSX turbo-RというMIDIインターフェースの付いたパソコンでμ-siosってシーケンサーでRolandのシンセを鳴らしてました。
それからJW-50というオールインワンシンセで4、5年、その後Macを買ってPerformer、そこからDigital Performerを使って「これでもうサンプラーは要らないな」と思った頃にWindowsのCubaseVSTを見て「次はシンセも要らなくなるな」と今はCubaseとAbleton Liveを使ってます。
F: それぞれの使い分けはどのようにしてますか?
R: リミックスとかトラックメインの場合はLiveを使い、生音や楽器アレンジが多い場合はCubaseという感じですね。
F: 今はエフェクターなんかも全部プラグインですか?
R: そうですね。ハードにこだわりがあるミュージシャンの方も多いと思うんですが、DJで地方とか海外とか行く際に旅先でも同じ環境を持っていける方が個人的には良いなと思っていて。 とにかく内部で完結していて何年たっても同じ音で曲を再現できるというリコール性を重要視してます。 なので最近ではほとんどハードは使わず、プラグインがメインになっています。
F: いつでも制作環境をまるごと持ち歩けるようにしてるんですね。
R: 国内だと1、2泊ですけど海外だと1週間とか滞在することもあるので、その間に制作できないのも勿体ないなと。
F: たしかに。。。 とはいえやっぱりここはハードじゃないとって部分はありませんか?
R: 今はもうほとんど無いですね。
F: 一旦アウトボードからハード通してまた戻してって方も多いですよね。
R: そういうやり方もありますよね。
でもプラグインだけでいい音楽をっていうのが自分の制作のテーマになっちゃってる部分もあるのかも。 ちなみに重虎さんは?
F: 僕もそうですよ。よっぽどVHSのゆがみが欲しいとか特別な表現以外はプラグインですね。
R: あ、僕もそういう事だとTASCAMのレアなMTRの音が欲しくて、それを録りに大阪の友人のとこまで行ったりはしました(笑)
でも基本的に外の機材はできるだけ使わないようにしてます。
必要な時はパラで素材をスタジオに持って行きますね。

音数少なくても成り立つように

F: 曲づくりはどのように進めてますか?
R: 以前はキックから作り込むとか多かったんですが、最近はピアノでコードとか決めてから歌と歌詞、最後にトラックって変わりましたね。キックとかって音作り込むとハマって作業が進めなくなる事があるので、最適な答えに速く近づくにはメロディとか先に合った方が良いかなと。
あとはせっかくかっこいいリズムを作っても音程が歌のキーにハマらなければ意味がないから曲が先、ということが増えました。
F: ジャンルによってはキー関係なく打ち込んじゃって、マイナーの和音のサンプルで全部ひいちゃうようなダンスミュージックもありますよね。
R: それはそれで魅力なんですが、僕のつくる歌モノには合わないことが多いですね。
F: RAM RIDERさんのダンスミュージックで外せないポイントはなんでしょう?
R: やっぱキックのキーと、最近アイドルに提供した曲でもクラブでかかる事が多いので、爆音で聴いても耳が痛くなく音も痩せないようになどですかね。
あとパートが増えすぎないように「ここは和音ではなくフレージングで」など音数を少なくする努力をしています。
音数少なくても成り立つようにしないと僕の場合言い訳のように音が増えちゃったりするので。
F: なるほど、非常に同感です。
R: 音数は少ないけど実は難しいコードを分解してシンプルに聴かせてる、みたいのが理想的だと思っていて、全体でハーモニーを奏でているのが好きですね。

オーディオデータに書き出してアレンジ

F: その個々の音作りをする上で共通した処理とかってありますか?
R: EQはやはり一番時間がかかりますね。 それからリミッティングしたり、キックの場合はそれにDeeMax挿したり音によってはTURBOスイッチ押したり。
あとは他の音が鳴っていくうちに、作業の序盤で作った音が変わらず鳴るように気を付けてます。 基本的にすべて-6dBから作り始めるので、はじめはモニターのレベルは大きめにして、音を重なるごとに少しづつ下げていく感じです。
F: 例えばキックのEQとかどのようにしてますか?
R: 20Hz以下、音によっては30Hz以下をカットしてます。
それと曲のキーにあうサブベースをリリース部分に足したりしますね。
キックは大体アタックとリリース用に2音組み合わせてます。
それでアタックとリリースをそれぞれ調整できるようにしてて。
だから基本的には全部オーディオデータで、キックのシンセとかはほとんど使わないですね。
F: ドラム音源で定番のBatteryとかは?
R: Batteryも使いますけど良い所まで出来たら書き出しちゃいますね。
F: そのトラックダウンとかマスタリングはどの段階まで行いますか?
R: 外の仕事でエンジニアさんがいらっしゃる場合はおまかせしたり、歌録りから全部行う事も予算によってはありますので、プロジェクトによってまちまちです。
自分のプロジェクトの場合はマスタリング以外は自分のスタジオで完結しちゃいます。
F: 外でミックスをするときはトラックごとに書き出して持ち込むと思いますが、その際にどこまでエフェクトをかけますか?
R: トラックによってはディレイも外さず持っていきます。ディレイを含めてフレーズだったりするのでそれは書き出すときにジャッジする感じで。
素材は全てドライで持ってく物だと若いころに教えられたのですが、思い通りの仕上がりにならないことが多くて。 それはそれでエンジニアさんにも気持ちよく作業していただけないので最近は気にせず自分の判断で書き出して持っていくようにしています。
F: ご自身でミックスするのに色々なエフェクターを駆使されてきたと思いますが中でも習得まで苦労した部類はなんでしょうか?
R: やっぱり究極はEQじゃないでしょうか?今でも相変わらず苦戦しています。
EQにしっかり時間をかけて削るところを削っておかないと、その後に音圧あがるプラグインとか挿しても結果がでないですね。
基本的にはブーストはあまりせず削ることが多いですが、そのポイントが物凄く難しいなと感じています。

一旦ディスプレイを消して聴く

F: EQも種類によって同じ設定でも全然音が違うと思いますけど、その時の判断基準はやはり聴こえた音ですか?
R: そうですね。僕は曲の終盤になってくると一旦ディスプレイを消して聴くんです。
リスナーと同じ環境で聴いた方がイメージしやすいし、画面を目で追っちゃうと違和感があっても気付かなかったりするので。
だからEQでもクリップには気をつけますが、それ以外はなるべく画面を見ないで調整する事があります。
数値の目安も知識としてはありますけど、毎回聴いて作っていきます。
F: よく参考書とかに目安の数値って書いてあると思うのですが、せっかく良い音が出ているのに参考と違うから不正解だと思ってやり直してしまう場合が初心者の時にありますよね。
R: あぁ、それはプロでもあると思いますよ。
F: それだと正解を通り過ぎてしまって勿体ないと思うんですよね。
だからメーターとかあると逆に迷いが生じるかなとは思う時あります。
耳で見つけた正解を見過ごす一つの原因かと考えてます。
R: あ、僕は御社プラグインで「分かってるな」と思うところに、表示やパラメータが厳選されてる点があると思うんですよ。
あるとしてもクリップの赤ランプぐらいで細かいメーターはあまり必要ないと思います。プログラム的な事は分からないですけど、そういうの増えるとやっぱり処理にも影響ありますよね?
F: もちろん画像処理ですから負荷はありますね。
R: そうですよね、それなら余計に必要最低限の表示で十分かな?
普通のプラグインになる必要はないし、そこに使う時間を割くのであればその分新しい機能に使ってほしいとファンとしては思います。
RAM RIDERさんの作業中のデスクトップ。
DeeシリーズではComp、Panpot、Maxがお気に入りで、この後に調整作業を行い曲を聴かせて頂けました!

便利で作業が速いプラグインは欲しい

F: 他にDOTEC-AUDIOのプラグインに思う点とか教えてください。
R: レイテンシーをほとんど感じないですよね。
あとモチベーションが上がるデザインが良いですね。
F: 出雲重機氏のデザインですね。
R: 常識にとらわれないというか、現実にある機材のシミュレーションでもなく、かといって無機質なプログラムっぽい画面でもないのが気に入ってます。
F: それでは良く使う他社のプラグインは何ですか?
R: WavesはGOLDにあるような定番は一通り使いますね。
CシリーズやLシリーズとか。ディレイはH-Delayなんか良く使います。
あとSausageFattennerも使ってました。これはDeeMaxに変わりましたね。
F: DeeMaxはどのように使いますか?
R: キック単体に挿してTURBOを入れたり、マスターでC6やOZONEなど多段でかけた最後に挿したりしてます。
あと他のDeeではPanpotなんか左右の音がが埋まってて、その間に入れたい時に使います。バランスを振るのと違ってボリュームを調整し直さなくても良いんですよね。
Compは主にボーカルに使ってます。
F: 他に何か珍しいプラグインとか使ってますか?
R: もう売ってないPitchFixっていう昔のYAMAHAのピッチコレクト系のプラグインがあって、 これがDigitechのVocalistみたいな良いテイストなんですよ。
それを 32bitを64bitにブリッジして今だに使ってます。
F: プロの現場で欲しいプラグインってどんなのでしょう?
R: トラックメーカー同士で話してると、音が良い悪いという話だけでなく「あれは便利」「これが速い」って会話がよく出てくるので、そこのニーズが掴めていると凄く良いなと思います。
いや、音に艶とか言わないとアーティストらしくないのかな(笑)
F: うははは、そんなことないですよ!
便利な道具は誰だって大好きですよ。
イメージがすぐ音になった方が良いじゃないですか。
R: まぁ、欲しいの沢山ありますよ。作って貰えますか?
F: 是非どのようなプラグインか教えてください。
R: たとえばベースとかドラムとか選択肢があって…
(かなり具体的に説明)
F: 便利ですね!それは僕も欲しいですよ!
開発の音作りの時はご協力お願いします。
R: 面白そうです!やりましょう!
DOTEC-AUDIO: 本日はお忙しい中ありがとうございました!
取材後もすぐに別の打合せがあり非常にお忙しい合間でしたが、制作中の曲を聴かせて頂いたり、その中でDeeシリーズの活用を教えて頂きました。
今後、共同開発のプラグインが登場するかもしれません!

公式ページでRAM RIDERさんの最新情報をチェックしましょう!
http://ramrider.com/
RAM RIDER
RAM RIDER
96年にダンスミュージックやJ-­‐POPのブートリミックスの制作を開始、自主レーベルからリリースした作品が一部で話題となり、数多くのトップアーティスト達のリミックスを手がける。2000年代からはDJ、リミキサー、アレンジャーとしての経験を活かし楽曲提供や作詞、編曲、プロデュースへの道を進み、 2004年自らもヴォーカルをとる形でデビュー。スマッシュヒットとなった1st Album「PORTABLE DISCO」、ソロボーカルと豪華ゲスト参加の2枚同時という形でリリースされた「AUDIO GALAXY」などオリジナルアルバム3枚に加え、シングル6枚、リミックスアルバム2枚をリリースしている。現在は自身のリリース、ライブ、DJと並行しソロシンガーからバンド、アイドルと数多くのアーティストのプロデュース、TV、舞台への楽曲提供、雑誌での執筆など活動の幅を広げている。
http://ramrider.com/
PRODUCE WORKS
・映画「海月姫」挿入歌制作
・映画「アップルシード アルファ」挿入歌『RINGO』作曲
・V6『サンダーバード -your voice-』 作曲
・鈴木亜美『SWEET DANCE』作詞作曲
・TEMPURA KIDZ『CIDER CIDER』作詞作曲
・Cheeky Parade『PiNPON MUSiC』作曲
etc...
REMIX WORKS
・浜崎あゆみ『Real me“RAM RIDER REMIX”』
・小室哲哉『Carry On[Remixed by RAM RIDER]』
・m-flo『Love again(RAM RIDER Remix)』
etc...

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