曲が完成してマスタリングも行って音圧も出せているのに、どうも音が平坦で痩せて聴こえる。
そんな経験ないでしょうか?
低域、中域、高域はお互いの音量の差分があって特徴が出てきます。
「全部聴かせたいのでアナライザーを見ながら平らにしてみた」
と極端な例ですが、こうなってしまっては騒がしいだけの音になってしまうでしょう。
まず有効な脱出方法はイコライザー(EQ)を使ってハーモニーの味を引き出すことです。
ところでEQの基本はカットだと聞いたことありませんか?
これはブーストを行うとフェーダー以前にミキサーの回路で音が飽和しやすくなってしまう事が理由です。
飽和してしまうとフェーダーで音量を下げても飽和した音が下がるだけで、これはアウトです。
ではDAWだとどうでしょうか?
DAWはご存じの通りソフトウェアであり、現在は64bit倍精度対応の広大なダイナミックレンジ
を持っています。
花火の大音量でも録音できる天井知らずな環境です。(音量に耐えるマイクがあれば。。)
そうなると先ほどの心配がなくなり、ブーストという選択肢が出てきますね。
実際にブーストした音とその周りをカットして再現した音では同じになりませんので、
どちらかベストな音の方を選ぶようになりました。
WEB上でトップエンジニアのテクニックを公開しているインタビュー記事が沢山ありますが、
EQの画面などでかなり大胆なブーストも良く見ます。
ただし注意が必要なのはブーストした結果、メーターが0dBを超えないようにフィーダーを下げてください。
ハードウェアと違ってフェーダー前で飽和してる事はありませんが、その後の入力レベルとして使いやすい音量にします。
もしマスターバスだった場合はEQの後ろにフリープラグインのDeeGainを入れると便利です。
これは単純にフェーダーの役割をします。
ここから味付けの話に戻ります。
音の厚みや重量感、立体感を感じやすい味付けは低域と高域を上げた時です。
これを強めに行うと俗にいう「ドンシャリ」「V字」となります。
全然悪いものではなくダンスミュージックやメタルなど迫力重視の音では定番です。
その逆で中域を重視するとボーカル中心に柔らかく、低音や高音に弱い小型スピーカーなどでも聞きやすい音になります。
これは俗に凸型なので「かまぼこ」と呼ばれてます。
まずはこの二つから自分の曲の表現に合う方を試してみましょう。
良く使うパラメトリックEQは5バンドなど複数バンドに周波数帯域、範囲、ゲイン量を振り分けて自由に使えます。
早速試しに2バンドだけ使って低域側を100Hz、高域側を8k(8000)Hz、範囲(Q)は1.0と広く設定し3dBづつ上げてみましょう。
これが「V字」です。
次に1バンドだけ使って1kHz、Qはもっと広く0.5に設定して同じく3dBぐらい上げてみます。
これが「かまぼこ」です
これを単純なスタートラインとして曲が良く聴こえるように各パラメータを変える必要があります。
一例としてセッティングの数値も記載しましたが、調整は必ず耳を頼りにベストポジションを探します。
その判断は聴こえが「良くなった」「悪くなった」という単純な物で大丈夫です。
あまりジワジワ動かしても耳が慣れてわからなくなってしまったり、どっちも良いなんて事もあります。
その時のコツは、まずはサーっと動かしてみて一瞬「あ、良くなった?!」と感じたポイントを追い込んでいきましょう。
アタリを付けるなんて言われます。
実はアタリを付けて追い込む事ができればEQの腕がグッとあがります。
例えばこもった音を解消するのに中低域の不要な音をカットしたり、中高域をピンポイントで足してシャープな輪郭
を与えたいなどはQを狭くして同じように追い込めばできちゃいます。
DOTEC-AUDIOのDeeEQは5バンド パラメトリックEQに対して、このような動作を2つのスライダーで実現しています。
縦のスライダーでブースト、カット。横のスライダーで中央で全域に、右へ動かすと高域より、左は低域寄りに作用します。
そして最大の特徴はブーストやカットをしたときに逆方向にも自動調整してくれることです。
例えばブーストしたときに余分な部分も上がって音がこもる事が無いようにカットも行います。
使うときは「低域を上げたい」「やや高域をちょっと下げたい」と考えた通りに2つのスライダーで指示するだけで調整されます。
とても便利なので是非デモ版をお試しください!
DeeEQ